石橋は叩いて渡れ

 

好奇心旺盛な私。

もう、生まれ持った星だと今では観念している。

 

小学生の頃の問答、

 

父「いいか、行ったことのない処に橋が架かっていたら、まず渡らず橋を叩くんだぞ」

 

私「それは、お邪魔しますっていう合図?」

 

父「違う、丈夫かどうか調べるんだ」

 

私「叩く程度で丈夫だなんて判るの?」

 

父「・・・。本当に叩くのではなくて、それくらい慎重になって注意しろということだ」

 

私「それなら最初から安心して渡れる橋を作ったらいいのにね」

 

暫くして小学校を卒業する我が子へ向けた文集に父の祝辞を見た

「子よ、未来への架け橋となれ」

 

私はこれまで橋を作って来たのだろうか。

安心できる素材、形、何一つ持って橋を作ってはいない。

よく渡れたね、危なかったね、と自分で褒める程度の綱渡りである。

誰も他は渡れない。