旅の途中

大きな旅行鞄を下げていた。

切符を確認しにきたお兄さんがご旅行ですか?と声を掛けて通り過ぎる。

返事をせずに済んだので安堵した。

旅行というわけではなく、出張でもない。

ただ大事なものを鞄につめて海を見たくなったのだ。

一度来たことのある伊勢へ一人で向かっている。