
毎年ワインボトルのエチケット(ラベル)を変えることでも有名な五大シャトーの一つ、シャトー・ムートンだが、私は今から20年前に1本だけ購入したことがある。
それは私が50歳になった時に乾杯のために飲むワインとして選んだものだ。
何故ムートンにしたかはごく単純な理由だった。
購入したワインは1991年のヴィンテージで、日本の女性が唯一エチケットの画家としてムートンに依頼された年と知ったからだ。
節子と書かれたそのエチケット、その節子がかのパブロピカソが20世紀最後の画家と賞賛した世界的有名なバルデュスの奥様などとは知らなかった。
後に、そのバルデュス本人もその数年後にエチケットを描き、幼児虐待など物議をかもしだしムートン初の白塗りされたエチケット事件になるのだが。
1991年のワインは今は購入した当時より値が上がっている。
なのに私はまだまだ上がっていない。
この分では50歳になり飲むのに相応しくないのではないか。
飲んでもいいのでは?と自分を評価出来るようになった時に飲むことにしたい、と
近頃想い直している。