救急車に揺られて

悶絶の痛みを抱え、のたうち回っていたが

朝の6時を待ち、昼前に出張へ出る主人に訴えるとすぐ救急車を呼んでくれた。

これまで救急車は付き添いで3回ほど乗ったことはあるが、自分のためは初めてである。

 痛くて目が開けれない中、救急隊員の会話や到着した当番病院の看護師、医師らの会話が

よく聞こえる。

「皆さん!この担架に乗って救急車で運ばれ、診察台に乗ったことあるのかな?

こんなに話が耳に聞こえてくるのよ」ムクリと起き、皆に伝えたくなる。

 

 

救急車の中で、しわがれ声の男性が個人的な質問をして来た。

面倒だから「そうだ」と頷いた。

「痛いよー、痛いよー」と胃の上部あたりの服を握りながらコロコロと担架の上で揺れていると、今度は若手の隊員さんが言った「ここから15分で着きますからね!」。

温かな声とその言葉に、コロコロと揺れる幅が小さくなった。

言葉って、目を閉じていると随分感じ方が違うのだな。

目で見ていると先入観なり、解釈なりにフィルターがかかってしまうのかもね。

思い巡らしていると当番病院に到着し、女性数名、男性医師1名の声が聞こえる。

CTを取るのに私の下着の金具のついた箇所を確認している

「おしゃれさんの紐でとれないからこのままにしようか」と聞こえた。

それを聞きながら、私がお婆さんになったころ、もし寝たきりでラクダ色の下着の上下だったら、何て言われるのだろう。

「これラクダ色で、くたびれているから切ってもいいですか?」なんて言われるのだろうか。

寝たきりにもなりたくないが、やはりラクダ色の下着は無縁でいたい。

そう大好きな、鴨居羊子さんのようにスキャンティでなければ。

これが私の初救急車の時に思ったこと。

それにしてもアニサキスの痛みはまさにアイスピックで胃を刺されているようだった。