あなたに、
聴くと胸の奥でつんつんと突き刺してくる音楽はありますか?
わたくしはあります。
今から二十数年前に、
ひょんなことで仕事で声をかけられた60歳の女性に、
人はこれほど卑怯で卑劣になれるのか、という仕打ちを受けました。
30代の後半の私はそれまでも年齢の割に経験している方かと思っていましたが、
まさか、それも女性で、しかも60歳を過ぎている大人の女性から。
彼女から目の前で嫌みと叱責と侮辱的なことをトクトクとされ、言われた時に、
私の大きな涙の粒は止まらなくなりました。
何故こんな人にこんなことを言われなくてはならないのだろうと。
胃が震え、無性に悲しくなり、いろんな感情が混じりました。
彼女は「なんだか悪いわね、あなたに」と笑いながら部屋を出ていきました。
悪女っているんだ。
こんな風に存在するんだ。
どうやって帰ったか覚えていませんが、自分の感情、何故泣いたのか、
何故こういうことになったのか、
彼女はどういう人だったのかをずっと明け方まで考えました。
朝になり、私の心が言ったことはこれでした。
「悪女に会ったのも自分。選んだのも自分。誰の責任でもなく、あなたの選択でしょ」と。
そう思うとさらりと嘘のように心が晴れました。
涙もたくさんこぼしたので、涙壺もカランカランの空です。
心身ともに軽くなり、仕事場へいくと彼女がいました。
ちらりとこちらを向いて通りすがりに言いました
「あなたに声をかけなければよかったわね〜」
すぐさま私の口は言葉を発しました
「いいえ、すべて自分で決めたことですから」
すると彼女はびっくりして振り返りました。
きっとメソメソと泣いて、暗い顔をした私を期待していたのでしょう。
私はむしろ清々しい気持ちで、自分自身でもひとやま成長できたことを自覚できました。
こんな想像を絶する辛い日々を迎え、逃げずに自分と向き合い、前へ進もうと決めれたから成長できたと今でも思います。
そして、この間、ずっと仕事場に流れていたCDアルバムがあります。
何度もリピートで流していたので、どこかに傷がついて曲の一部の音が飛ぶようになっていたのですが、
いつの間にか飛ばなくなっていました。
こCDアルバムは、二十数年経った今でも時折聴くと当時を思い出します。
酷いことを言われ、酷いことをされ、大泣きしたこと。
そして乗り越え、大きな一歩を前に踏みだせたこと。
曲があってよかった。
わたくしの最大の応援歌、これからも。
