母からの遺伝子

忙しい日々です。

一昨年から輪をかけて頑なカチンコチンの心をもつ父の便が硬くなり、

ついに便秘で入院するという事態になりました。

それからというもの、父は毎日、便日記をつけ始め、

処方された便秘薬を何度いっても飲みすぎて、毎日ピーピーとお腹を壊し、

食事中だろうが、仕事中だろうがお構いましに便の話をしてきます。

「今朝はバナナが出た」

「昨日は滝のようだった」

毎回、ピーピーになるので父の腸には物がたまっていないのか、

お腹が空く頻度が早く、3度の食事プラスおやつ3回という日課になっています。

一緒に住んでる母はその父の体調の変化のストレスで、反撃するものの、その度、何度も火の粉を浴びて髪の毛が縮れ、もとい、心が縮れてしまっています。

その父はすでに片耳がほぼ聞こえず、昨日、大枚叩いて購入した補聴器を天敵のように拒むので、会話するのも不便になってきました。

「だから〜便がですぎなのよー」と私。

「何が変すぎるって?」と父。

「便よ!便!うんち!」

大声を張り上げつづけた家族はこの一年、まんまる顔の母の頬は柳下がり、

ストレス蕁麻疹を発症したのです。

昨日、母が「そういえばね耳の聞こえない人ほど長生きするらしいの」と言ってきたので「あら、じゃパパさんは100歳まで生きるかも?あと10年!」というと「冗談じゃないわー!」と母。

そうか、母も今の状態が続くのが辛いから父が天国という場所へ転居しないのかなーと思っているのかしら。

翌日、ピンポンと宅配の人が大きな箱を届けにきた。

「あー!それはパパさん用の健康器具を買ったの!横たわるだけで血行が良くなるんですって」。

あらま、父の天国行きを待っている訳ではないのか。

そういれば、便秘で初入院した父がベッドに腰掛けながら「もう家に帰りたい」と涙をポロリと流すと、

面会に行くまでの道中では「もう帰ってくるなー!」と愚痴をこぼしていた母が、

「あなた!頑張って!あと少しで退院できるから!」と父の肩を叩いてもらい泣きしていたっけ。

母は目の前の情に脆いのだろうか。

おっとっと。それ、私も過去にいたく学びましたわ。

遺伝子はここから来たのね。