どうでしょう

着物を着て、蔵で自作の作陶した器をつかった店でもやろうと冗談半分の夢を見ている。

調理師免許を習得したのは、粋な現役老人が集るバーで、作陶をするのもよいかもという淡い気持ちがあってのこと。

先日、その調理師免許の試験を受ける際に、お世話になった80代のおばさんへお礼に札幌旅行をお誘いした。

招待という言葉でおばさんは旅行を快諾。

世田谷のおばさんの家から私が送迎することを提案し、おばさんは更に有頂天に。

しかしながら札幌から迎えに行った当日、40年ぶりの飛行機に気合が入ったおばさんはまさかの着物を着用。

おばさんの横手には札幌の私の両親と姉夫婦へと大きな木箱2個と、栗と煮汁がたっぷり入った大きな瓶と昭和の皮でできた大きなボストンバッグ。

どれも引くことのできない荷物に「わざわざ手で持っていくの?」と口を尖らせ訊くと、手で持つのが礼儀だという。

世田谷のおばさんの家から羽田空港までの定額タクシー。

タクシーを予約した自分によくやった!心で褒めた。

帰りも行きと同じように札幌からおばさんの家に送り届けた。

道中、おばさんの荷物は全てわたしが手に持つ羽目になったが仕方ない。

おばさんの札幌への招待旅行はこの荷物くらい喜びが大きかったのだ。

引くことのないおばさんの荷物は手で大事にもっていたい、思いそのものなのだろう。

 

こんな小さな心のわたしにお店などは、さてどうでしょう?