母の携帯アドレス帳

80を過ぎた母が、今使っている携帯の調子が悪いのと、

不要になった携帯電話を2台を処分するのに、中のアドレス帳を消すために携帯電話のお店に予約を取って欲しいというのでネットで予約してあげた。

一人で行けるの?一緒にいこうか?と訊いたが、アドレス帳を消すお願いだけだからそのくらい一人でも大丈夫という。

すると当日、家で仕事をしている私に母から泣きそうな声で電話がきた。

「あのねー、もうアドレス全部見えなくちゃった。消されちゃったのー」と携帯電話店から電話でいう。

その場で電話を掛けてきたのだから余程ショックなのだろうと察した私は”こう言う時は本人を代弁して何てことしてくれたんだ!”的に怒るのが良いのだろうと「ちょっとお店の人と電話を代わってください」と母にいうと、

電話口に若い娘の声がした。

「あの、どういうことでしょ?アドレス帳が消えたって」と私。

「こちらの方が消してくださいというので消したんですけど」という。

全く悪くないし、それで何か?とでも言いそうな彼女の声。

装いで怒るはずがこの若い娘の返答に怒りのスイッチが入ってしまった。

「今使っている携帯電話のアドレス帳の調子が悪いからと相談にいって、もう一つの携帯電話のアドレス帳を確認もせずに消すことは作業の順番としておかしくないですか?それに・・・と自分で話しながらどんどん母の消えた100件近いアドレス帳を消されたことを思うと本当に頭に血が上がってきた。

携帯電話を持って10年ほど、その間に増えた知り合いやお友達。

それが一気に消されたのだ。

82歳のスマートフォンのアドレス帳が無くなると言うのは、20代の時に100件消されてまたアドレスを入れ直すことと全く違う意味をもつ。

一通り話して電話を切った私は装いどころか噴火になってしまって頭の血がジャンプしてもなかなか下がらない

さて消えたアドレス帳、

どうしたものかと今夜は一人作戦を練っている。

母が悲しみで体調を崩さないとよいが。