すべての始まりは『ポルウナカベーサ』
この曲を聴いた時に無性に踊りたくなった。
うずうずとする心根をうまく身体に現すことができなく、なんとモドカシイという気持ちになった。
この曲で踊れたらさぞ気持ち良いだろう、
早速、知人の紹介で恵比寿のタンゴ教室にメルカリで手に入れたタンゴシューズを持って体験に行った。
日本人の先生に着いてひたすら歩く、ひたすら歩く。
思春期の部活以来の汗。
流れて汗が目に沁みる。
ふむ、このまま通えるのだろうか、少し愉しくなかった。
その後すぐにコロナの緊急事態で教室はしばらく閉じた。
私もそれから引っ越しをして、ピカピカと光るタンゴシューズに申し訳なく思っていたところ、
3年越しの今月、引っ越し先の知人から本場アルゼンチンで賞をとった日本語ペラペラのアルゼンチン人が教室をやっていると聞き、早速、連絡をとってピカピカのシューズを抱えて向かった。
とても、とても愉しかった。
ひたすら歩かなかったし、何よりアルゼンチンの踊りの心を教えてくれた。
ひゃぁ愉しい。
高揚する私はチラリと自分の足元を見た。
ピカピカのタンゴシューズはなんとも嬉しそうにスポットライトを浴びて更に光っている。
よし、必ずポルウナカベーサで踊れるようになるぞ!
それにしても先生によってこんなに愉しさが変わるなんて、ちょっとのことなのに大きく異なる。
そうそう『ポルウナカベーサ』の意味は「首の差で」。
ちょっとの首の差で人生は変わっていくものだ。