冬仕舞い

春分も過ぎ、お彼岸も明けたことで、さて衣替えをしよう。

まずは座布団のように厚いコートらをクリーニングチーム、保管チームと分けてみた。

どれも大して袖を通していない。

昨年買った黒のコートだけが出番が多くくたりとしている。

 

お次は帽子。

これまたびっくりするほど被っていない。

この冬に買ったニット帽が3枚、キャップが1個。

以前からの帽子たちは冬眠状態だった。申し訳ない。

一応一つずつ箱から出して、被ってみて、防虫剤を入れ替えて箱を納戸にしまう。

仕舞う、仕舞う、仕舞う。

そして春夏帽子を

出す、出す、出す。

そうなのだわたしは帽子の箱が18個もある。

この小ちゃい頭ひとつに被せるものは50個くらい持っている。

20代の頃からの古株もしっかり居るから寄付したりしてもあまり減らない。

もし、人生があと50年はあると確約してくれるのなら、帽子職人にもなりたいくらい。帽子が好きなのだ。

お次は靴に取りかかる。

ため息つくほど、ハイヒールを履いていない。

どなたさまもそうかもしれないがこのコロナ感染が蔓延してすっかりお出かけの機会などなくなった。

いまでも足が入るのかと毛糸の靴下を脱ぎ恐る恐る履いて見る。立って見る。

すっかりカカトのないスニーカー足になっているから不安だったが入った。

それでもいつハイヒール達は出番が来るのだろう。

 

今年活躍したゴアブーツと入れ替えていると、収めた箱からゴツンと物凄い勢いでハイヒールが落ちてきた。

目の上のオデコに直撃。

ヒールの鋭さで穴が空いたのではと慌てて鏡を見ると、盛り上がり真っ赤になっている。

穴でなくコブかと安心するが、収めたはずのハイヒールが無いことに落ちてきたのだからこれは復讐かもしれないと猛省をした。

そうね、わたしに求められ、ここに集まる物たちにはまん延防止など関係ないのだから「おい、出してくれ」と

叫びたいのは当然である。

むむむ、もしかして、コートや帽子や靴らは箱に入るのが不満なのか。