母と荷物を片付けている。
袖を通していないもの、
袋を開けていないストッキングや
綺麗な色の帽子だったり
和紙に包まれているかんざしや
すっかり期限を過ぎている真新しい香水瓶なんかみると
一緒に片付けなんかできやしない。
私は口では言う、
何でこんなに使わないものをとってあるの、使えばいいのにと。
でも私の心は切なくなっている。
もう、使う時間や使う場所がないとわかっての荷物の整理、
母はいつか使おうとこれらとこれまで生きてきたのだ。
側にいた物たちも、大切にしていた母も、
物はいつか使われるかもしれないと期待していただろう。
母もいつか使おうと思っていただろう。
その物たちを母から貰い、
これも、あれも貰い、
貰い貰いで、わたしの部屋は溢れかえってしまった。
今、片付けをしながら、いつ、どこで使おうと考えている。
きっと、この物たちは出番をまっているだろうな。