久方ぶりにジェラシーを抱いた人「鴨居羊子さん」。
昨年、初めてその名をしり、調べて、本を買って読んだ。
肩書は日本の下着デザイナーとある。
繊細で臭覚に富んだ感覚を持ち、それでいて斬新なアイディアと爆発的な実行力を持ち、そして何より文章が非常にうまいのだ。
これまで読んだ経験のない文章の書き方とでもいうか、ずっと味わっていたくなる文体なのである。
その彼女の描く絵がまたキッチュで魅惑的なのだから、いま、彼女がいたら好物といっていたワインを担いで
ピンポンと自宅へ訪問したいほどだ。
いや待てよ、先にファンレターを書いて、返事がきたのなら「もう、なんて素敵なの!」と声を上げて飛行機の席を予約することだろう。
ドアの向こうの彼女はちらりと私を見て『フン』と鼻を鳴らすような気がする。
あぁそんな目にあってもよいからお話してみたい人。
なんと今年で没後30年らしい。
記念の本が出ているというではないか、今こうして記念本がでることを彼女はどう思っているだろう。
私は本を購入したので、また読みながらジェラシーを感じようと思う。