たんぽぽ

あの頃は

緑の草地に黄色の花を咲かせ

空を見上げるたんぽぽが一面にあった

同じ気持ちになりたくて

草地に寝転び鼓草と並んで空を見上げた

空からは鼓草と私はどう見えているのだろう

小さくても何の迷いも着飾りも気負いも無いたんぽぽ

大きいのに迷いや欲や浅はかさだらけの私

それでも空は分け隔てなく光りを注いでくれているのだなと

草地に寝転んで気づいた

今は草地は少ないことが気がかりである。