叱ってくれる詩

20年ほど経つだろうか。

茨木のり子さんの「自分の感受性くらい」という詩に出逢った。

その頃の私は社会も人も、そして自分のこともあまり好きでなかった。

色んなことがありすぎて好きでなくなっていたのだと思う。

その色んなことが在るのも起こるのも、すべては自分の選択や要因だったり、

見えない力の誘導だったりするのだけれど、そんなことを考える頭も心もまだ持ち合わせていなかった。

そんな頃にこの詩と出逢い、ガガガガーンと頭を叩かれ、ドーン心を打たれた。

こういう詩をかける先人がいたという衝撃とジェラシーのような感嘆。

正に自分に言ってやりたい意を得た詩に。

やられた!

叱られた!

そして、

そしてとても励まされた。

今でも時折、本棚の戸をすぅーと引いてはありがたく叱っていただいている。