手のように

これまでに

幾度も幾万回も、またもっとかもしれない数の傷をつけている手。

かすり傷

切り傷

刺し傷

火傷

とても深い傷

神経まで傷つけた傷

この手は生まれた時、ゴム毬のようにパンパンで汚れや痛みを知らぬ無垢なものでいっぱいだった。

50年ほどの道のりで私は幾たびも手を使い、使うことで作った道が幾たびもある。

傷のない日がほとんどない手。

今はシワが増え、節が目立つ手。

それでもこうして傷を癒し、また再生している手が

心より何度も傷ついているはずなのに心よりも強いのだ・・・

イテテ、また工具で両手に血豆を作ってしまった。

ごめんよ、こんな主で。

でも物作りは止められない。