背中のこなきじぃさん

朝から背中にこなきじぃさんが乗っているのか、

これまで感じたことのない得体の知れない気だるい重さがある。

目覚の珈琲を飲み終えたころ、その原因に気づいた。

昨日、電動ロクロの前で90分、2ヶ月ぶりのロクロだったが土と息があい黙々と13個ほど茶器を作っていた。

土と息があったと感じ得たのは初めてのことで、13個も初めてのことだ。

土がわたし、わたしが土、と成ったのである。

先日観た映画「日々是好日」の影響だなとその時自覚したのはロクロの上で土殺しをしているとその映画のある場面が脳裏に浮かんで来たからだ。

「頭でわかろうとしてはダメ、感じるものなの」という台詞の場面。

わたしはこれまでにいろんな雑念を持ってロクロを回していたのだろう。

昨日の私は土と向き合っている自分しかそこに居なかった。

忘れられない、なんとも例えようのない心地よい感覚。

そうこうしている今、少しずつ背中のこなきじぃさんが軽くなって来た。