危なく無い

災害区域に該当すると、

小高い場所にある我が家のポストにそのお知らせが入ってから私はチラホラ災害グッズを調べるようになった。

大雨で崖が崩れて建物が斜めに傾く?

土砂と一緒に建物が下に流れる?

どのような感じで危険なのかイマイチ想像できず

崖と反対側に重たい荷物を移動したほうがよいのかしらん?といったレベルで

漠然と怖い心持ちで過ごしていた。

今日、大型台風が日本上陸するとニュースでさかんに言っている。

大丈夫よね?我が家は・・・とつぶやきながら磁器創作のバケツを崖側のバルコニーにある水道で洗おうと扉を開けると

ぺにょぺにょぺにょと建物のレンガの壁によく似た色の物体がこちらに動いてきた。

ぎゃーーーーと普段ならわめくところだが

「あら!これ、イモリさんかヤモリさんだわ」と以前にこのマンションで数回出くわしたことが幸いで

出くわし慣れている。

「と、いうことはここは安全ということよね」と頭に浮かぶ。

そのまま用を済ませず扉を閉めた。

もし危険ならばこの家にはこのぺにょぺにょは出ないし、住まないはずだ。

居るということはここは安全なのだ、そう思えてきた。

ん、でもイモリは井戸を守る、ヤモリは家を守ると存在の意味に違いがある。

はてさて、あれはどちら様だろう。

どちらにしても取り敢えず、頭の中の災害区域が昨日よりぐんと遠のいた。