免許更新

危ないところだった。

自分の自動車の免許更新など頭の片隅にもなかった。

引っ越し三昧なこの5年間で、現住所は横浜のままであったし、

それから3度も転居しているとなれば、さすがに更新ハガキも届かない。

たまたま先日、財布の入れ替えに免許証を見た時に、「あれまぁ」と1ヶ月もない期限に気づいたわけである。

特に立て混んでいる日々でもないのだがどうも面倒で、住所の変更も兼ねて新宿でできるのだが腰が重い。

スケジュール帳に更新日と赤字で書くが、数度後ろへ後ろへと書き直している。

「ほれほれ、この目の下にクマのある老婆の写真とおさらばできるのだよ」と自分に言うが反応が悪い。

なぜにそんなに腰が重いのかと数日様子を見ていると、どうやら更新したその次にくる50歳代後半が嫌らしい。

そんな先のこと、と苦笑するがこれには訳がある。

今の老婆の免許証に更新した5年前、今度の更新時には・・・とある期待があったのに、それに応えていないことがあるからだ。

「ねぇ、この次の5年後は大丈夫ですよね?私は」と疑っているのだ。

はいはい、大丈夫!今日は素敵に微笑んで老婆から中年に戻りましょうね!と慰めて

これからたくさんの水分を顔につけて、いざ出動!である。

そして、5年後にはうほほほと期待に応えた自分に笑ってご対面をするぞ。