もうコイはいらない

22確か初めて出会ったのは実家の居間で

16歳のころだったか。

あまりの色にそのもの自体を見つめることができず

恐る恐る触れたのを覚えている。

誰も手をつけずにいるのが気の毒で

わたしは平気といって手を付けたことが

好物という勘違いを与えてしまった。

それから送られてくる度に食べさせられる。

高価なのだろうがさすがにもういらないな。

米沢のコイの甘露煮。