シュウマイ

 

 

遥か昔、弁当持参のわたしの通学時代。

母が作る弁当には1日置きにシュウマイが入っていて

わたしはそのシュウマイの真ん中に乗っているグリンピースが好物だった。

ある日、ポロンとシュウマイからグリンピースが落ちたのだろう。

弁当箱の蓋を開けた時にグリンピースの姿がない寂しさを味わった。

グリンピースを失ったシュウマイの顔は何ともぼけた感じで凛々しさが無くなっている。

ふぅうん、シュウマイにグリンピースを乗せることを閃いた人は天才だなと感心し、

ほうれん草の茂みに見つけたグリンピースをシュウマイの上の窪みに戻した。

シュウマイもほっとしたのかこちらに目を向け、

さっさっどうぞ準備できたのでお食べくださいと言った風になった。

好物の所以はこの彩の配慮そのものなのかもしれない。

横浜で有名な何チャラ軒のシュウマイはグリンピースがないから

ちょっと寂しく感じている。