随分昔にある本を読んで植物や樹木は人の言葉がわかると知り
それから植物や樹に近づく時は話しかけるようにしている。
さて暑さも和らいだからと夕刻に郵便ポストを覗きにドアを開けると
表札近くに見慣れない配色の物体がへばり付いていた。
近寄って見るとあついと言うかのように「つ」の形をして尻尾の生えたものが。
ぎゃーの声も出ずに慌ててドアを閉めかけると「つ」の方が面倒だなとばかりにドアと反対へ動き出した。
つつつつつ。
今のは確かヤモリかイモリだ。
この家に引っ越してから2年間で2.3回ほど両方に出くわしている。
家に入り早速植物に水をあげながら報告をした
「今ね、ヤモリかイモリと会ったよ。どっちなんだろうね。ヒャーびっくりしたわ」
ジャーと水道の緩い水が跳ねている。
コーヒーの樹は黙っているので続けた
「あんなの部屋にいたら即引っ越しだわね」
今度は昨年いただいたポインセチアの鉢に水をあげながら話しかけた
「あなたが寒い時期の花なのにこんなに夏に強いと知らなかったわよ」
ポインセチアも何も答えないので次のシュガーパインに水をあげる
長く伸びたアイビーのような枝が購入した時の数倍にもなっている
シューシューと霧吹きでその長い髪の毛、いや長い枝に水をあげながら
「これが髪ならまさに何とかっていう人形並みよね?あ、でもあなたは生き物だったわね」
シュガーパインももちろん何も答えないので水やりはすべて終了。
こんな有様だからきっと我が家の植物は私のことが心配で長生きしなくっちゃと思いすくすく元気なのだろう
私はそう思っている。