今日は朝から特に陽射しがつよい。

窓を開けると部屋よりも暑い空気が入り込む。

するとどこからか風鈴の音色がする。

あれは南部鉄の風鈴の音か?

しばらくするとりんりんりんと心地良かった音色は

涼しげな風鈴の音を超えてオトに聞こえ耳障りになってきた。

そう思うのはきっと暑さのせいだろう、

そういえばわたしも自分の名をいれてもらった硝子の江戸風鈴があったなとガサゴソ出した。

硝子の音色はあまり涼しげではないが、ある意味とてもわたしを涼しくしてくれた。

「あぁ、この風鈴を買ったのはあやうく死にそうになった静岡だったな」

このことを思い出すだけで十分涼しい。