五十路の旅

念願の五十路を迎えるにあたり旅をしてきた。

行きたい場所へ、食べたい店へ、再び訪れたい処へと希望を叶えた旅になった。

歩く、観る、食べる(呑む)、寝る。

まさに旅の基本を過ごしているといつの間にか自分の内証の旅に移っていた。

観たかった、観えなかった、聞きこぼしていた、聞き違いをしていた。

世情や世上などに関心ごとがゆくと、まったく自分の旅をしていないと気づく。

いかんいかんとポカリと頭を叩き反省。

この先は自旅でしっかり行かねばならん。

そうしているとある一文が浮かんできた。

芭蕉秀句、「旅寝して見しや浮世の煤掃」

なるほど、旅の基本を通り過ごすと見えてくるものがあるのだな。