小学生の頃、引っ越した近所にレンガ造りの家があった。
「マッチ売りの少女」の話で少女は寒さと飢えからマッチを擦りそれで暖をとり、
その炎の中に美味し食事を夢見る場面がある。
少女がマッチをレンガの家の壁で擦るのが印象的だった。
どうしてもそれを試してみたいと思っていた私はいそいそと家からマッチ箱を持ち出し
近所のその家に向かった。
「シュッ」と壁に擦る、火が点かない
「シュッ」とまた擦る
なんで点かないのかと首をかしげ
自分が人様の庭先に不法侵入していることもあり早々とその場を去った。
それから歳月は流れたが、点かなかったマッチのことは頭の片隅に残っていた。
アメリカの友人にこの話をした時、マッチの素材が違うのよと言われ
なんだ、そうだったのかと長い長いマッチの謎が解けた。
でも、なぜ、素材が違うのだろう。
うーーん、また違う謎ができた。
すぐに携帯で違いを検索するとその謎が解けた。
まったく、今は夢を見る暇もないな。