数日間、モデル事務所から連絡はなく
私はキャピキャピ感がないからモデルに向いていないんじゃないかということで
このモデル話は終わったと思っていた。
1週間ほど過ぎてから電話が掛かってきた
「明日、撮影するから来てね」
事務所の扉を開けると社長がおり、私の名前が「M:エム」に決まったと告げた。
何故そのMになったかも訊かずに私はプロフィール用のスチール写真に挑んだ。
もっと笑ってというカメラマンの言葉は確かにそうだった。
私は心の中で「中くらいのということでMと名付けたのだろう」と悲しんでいたのだ。
高校一年生の春の終わりのことだった。