小学3年生の頃から遠方の友人と文通するようになりその頃から切手に興味を持った。
すると父が祖父が集めていた切手集を渡してくれ、空いたスペースに私も足していくようになった。
ここ何十年、その切手集を開かなかったから収集家の方へ払い下げにしようかと昨日久しぶりに開いた。
何やら表紙の裏に文が書いて有る。
読んだことが無かったので読んでみた。
「美しい郵便切手は遠く離れた人々の心を結ぶ、愛と信頼のシンボルです。郵便料の前払いを表すちっちゃな
紙片に過ぎないようですが、綺麗な図案が描かれていていつまで眺めていても飽きない美術品といえます。
その切手を集めて楽しむ、なんと高尚で素晴らしいい趣味ではありませんか。・・・」
確かに綺麗で品のある小さな美術品だ。
そしてその切手に押されたスタンプが気になり始めた。
神田、市川、札幌、定山渓、江別、目黒、調布、砂川、石神井、福島・・・
あちらこちらのものがある。
どんな想いをしたためた手紙だったのだろう。
当時、何があったのだろう、と想いが馳せる。
そんなあれこれがあって今私は存在していると思うと
手放そうとしていた自分が恥ずかしく思えた。