若者へ

高校生の時に友人から八方美人だと言わた。

会社に勤めた時に社長が肝っ玉が据わっていなと言った。

大学時代の友人に母がこの子はしたたか者と話していた。

甥っ子が世渡り上手と言っていたと聞いた。

どれもこれも、今となっては私には嬉しい言葉だ。

あんなに不器用で、ガチンゴツンとぶつかって、今にも割れそうだったこと、

そんな風に生きてきたことなど他人は知るはずもない。

元々強い人などおらず

初めから恵まれていることなどあらず

人は誰しも同じ涙の量をもって生まれ

どこで流すかが違うだけ。

泣いた涙はまた海へと戻り

また新たな人の涙となる。

さぁ ゆけよ。

あなたの身体と心はあなただけのもの。

泣いても笑っても海に還すだけ。

思う存分、ここで生きて。

人の言葉など後でよし。