こういう者でございます。

渋谷の一等地に建てたばかりの自社ビルに住むお宅へ伺った。

お客様は有名な気のお仕事。

お話の流れで、私は小学1年生のころから鍵っ子で、雨が降れば姉と二人、学校の軒先で迎えに来ない母の姿を待ったものだとお話すると

「以外です、鍵っ子とはとても思えません。大切に何不自由なく育てられた方だと思いました」と言われた。

私はこのような印象を持たれることが多い。

その度に複雑な心持ちになる。

苦労知らずですね、と思われるのも”どうなの⁈ 私”と思うが

苦労してきましたね、と見られるのも”大丈夫か⁈ 私”と鏡を見たくもなる。

ま、本当の人生の歩みのことは私だけが知っていればよく、

といって私自身も過去の曖昧な記憶しかない部分も多々有る。

時折、人と話しながら「私の一瞬と、この方の一瞬が成り立ち、こうしてお話しているのだな」と感じて

うるうるする。

これは何年生きてきても変わらない。

どうあれ、私はこういう者ということは確かである。