求めて

昨晩、初めての蕎麦屋で食事をとるため予約の電話をすると

「夜は予約を取っていません。それに予約は必要ないです、空いていると思いますので」という。

うやむやな話だと思い「もし行って座れなかったら?」と訊き返したら

「大丈夫だと思います」という。

夜、その蕎麦屋へ行ってみると満席。

しかも、予約でという。

むむむ、と久しぶりに店員に詰め寄った。

が、そんなことをしても仕方ないと気をとり直して他の店で食事を済ませた。

翌日、出先で打ち合わせを終えるとやはり蕎麦が気になり、

遠回りしていつもの蕎麦屋へ向かった。

喜び勇んで角を曲がったらなんと臨時休業と貼り紙が。

むむむ、また振られた。

どうしようかと歩き進めていると、最近出来たいつも行列のできる蕎麦屋が目に入った。

1人しか並んでいなかったのでそのまま店に入った。

天婦羅板蕎麦を頼んで、満足なく、そば湯も飲まずに早々に会計をするとなんとも値段が普通の半値以下。

人気は安さなのか。

余計に美味しい蕎麦が食べたくなった。

真に求めているものの代替えはきかない。

夢も食べ物も同じなのだ。