風邪にネギ

子供の頃、熱を出すといつもは叱ってばかりの母が優しくなる。

りんごを擦ってくれたり

喉を消毒してくれたり(この時はすこし怖い)

好きなふかし芋を作ってくれたり、アイスクリームを買ってきてくれる。

一番の思い出は喉の弱い私にネギを首に巻いてくれること。

白いガーゼにネギを入れ、バキバキっと音立てて巻きつける。

子供心に変だな、と思っていた。

一人暮らしを始め、一人でりんごを擦り、

喉を消毒し、ネギをガーゼに入れて巻いた。

ネギのエキス?で涙が出て寝られない。

おかしいな、巻き方間違っているかと母に確認すると間違っていないという。

当時はインターネットなど無いから他に調べるすべもなく

その後、大きくなってから調べてみた。

ネギを喉の治療に巻くのはあるようだが

白い部分を縦に切り、十分焼いてしんなりしたら切り口を喉に当たるように

ガーゼに入れて巻きつけると書いてあった。

母上、そのままのネギを巻くのでは無いそうです。