キッチンの窓から電車の車庫が見える。
夜中の1時を過ぎているが
止まっている電車の車内の明かりが煌々と点いており
銀河鉄道のように暗闇のなか車窓の形がはっきり見て取れる。
その中の車内のエンジ色したベンチシートまで鮮やかに見える。
まるでライトで照らされているようだ。
誰もいないベンチ。
少し前まで大勢の人が座っていたベンチ。
居眠りする男性人
喧嘩るす恋人たち
大きな荷物を持つ夫人
ゲームをしている若者
今日も何十万人という人々を乗せ
その人々の暮らしを乗せ
車庫に還ってくる。