セミにおもう。

さすが山ということもあり

我が家には毎度お客様がノックなしでやってくる。

クモはぴょんぴょん跳んで、

イモリは雨の中、よいしょよいしょと階段を登って、

そしてここ最近、訪問頻度の高いセミ、

毎日、窓の網戸に止まり足を広げてこちらに機械のようなお腹を見せている。

夜は飛来しギギギというコウモリのような鳴き声を上げ

街頭の明かりをめがけては酔ったようにフラフラと飛んでくる。

その下を通ると必ずこちらにフラッと急降下し

「おい、姉ちゃん!

ん?何だおばさんだったか!」と言わんばかりに近寄っては離れる。

壁に映るそのセミの影がバルタン星人に見えて仕方ない。

ぎゃーッとおばさんは叫んで駆ける。

毎日、これ、かなり疲れるのだ。

だがセミの寿命は短い。

セミも頑張っているのだろう

よし、私も頑張るか。