ゴルフボール位の氷の塊が空から無数に落ちてくる。
頭は見る見る膨れ上がり
大きなタンコブは頭の何倍にも膨らんだ。
「痛くて目が開けられない」
地面に落ちた氷の塊が少しずつ溶けて川をつくっていく。
川は身体を包みこみ海へ海へと流れた。
やっと頭の腫れが引き、目が開けることが出来た。
「どこまで流されてきたのだろう」
目の前には大海原と大空が広がり、
空から虹が自分のところへ降り注いでいる。
「天国にでもきちゃったかな?」
ゆらりゆらりと波の漂いに合わせて
泳がなくても身体は浮いていること気がついた。
がむしゃらにレレレの尻尾を振り、
四方に生えた手足でぴょんぴょんと踏ん張り飛んでいた昔を思い出した。
「ずっとあちこちを泳いだり跳ねたりしてきたのはここに出会うためだったんだね。
やっと出会えたんだ。
もう泳ぎも跳ねたりもしないよ。
する必要がないんだもの。
本当に会いたかったよ」。