頭でっかちでアンバランスなオタマジャクシは
レレレ、レレレと尾で泳いでいる。
流されているのかと思い始めた頃に小さな手足がピョロンと四方に垂れはじめた。
水をカキカキ、かき分けてレレレよりはましに進めるようになった。
その時、目の前に”どうぞおやすみください”とばかりに小さな岩が見えた。
よっこいしょとよじ登ると
「誰だー!」と大きなイボガエルに振り飛ばされた。
アイタタ、池からほど遠い土の上。
花も草も見当たらない。
ここは何と言う場所だろう。
”池はどちら?”と蟻たちに尋ねると急がしそうに無視。
そこへバイオリンを弾きながらキリギリスが現れて言う「きみ、一緒に楽しい世界へいこう」。
危ない香りがするから、これは無視。
はてさて、池はどちらだろう。
そもそも私はずっと池で行きてゆく生き物なのだろうか?
ほら!レレレの尾はいつの間にか無いし、
ピョロンの手足が随分とがっしりと大きくなっている。