ゴンギツネとかたつむり

ある日、50代の姉と40代終盤の妹が

大きな雷と雨の中

姉の運転する車でお昼の食事場所を探していました。

行く先々、定休日やら工事中やらと続き、5件目でやっと辿り着きました。

お腹を満たした帰り道、

最近知った新美南吉の話しをすると

「手袋を買いに、っていい話しだよね」と私。

「ゴンギツネなんか可哀想だよ・・・・。最後は撃たれちゃうんだから」と姉。

「ん?どんな話しだったかしらね?」私。

「ゴンギツネがせっせこ、せっせこ、毎晩、人間に贈り物を届けに行ってたら、悪さをする悪い奴だと誤解され

ある日撃たれちゃうんだから(しくしく)」姉。

「あー、もうすぐ引越だな、引越20回以上かも」と話題を変える私。

「かたつむりじゃあるまいし」と姉。

「ん?かたつむりって家はいつも同じじゃない?それを言うなら・・えっと、なめくじでもないし・・」私。

「ヤドカリだ!」姉。

「そうそう、ヤドカリ!」私。

いつの間にか視界も悪いほどの雷雨はあがり、虹が遠くに見えた、気がする。

あと何年、こんな会話ができるのだろう。