昨日、通うようになってから10数年経つ鍼灸治療院へいった。
先生は長いこと学校の先生をしていたのだが、ご主人と幼いご子息をなくされ鍼灸の道へ進まれた方だ。
ここは私の身体がガギグゲゴの症状になると駆け込む場所なのだ。
身体に鍼を打つたびにガギグゲゴと聞こえる。
先生はそれを幾分か和らぐように打ちながらたくさんのお話をされる。
昨日のお話は「でんでんむしのかなしみ」という新美南吉の絵本についてだった。
「手袋を買いに」を姉から教えてもらった時はふぇーんと泣きそうだったが
でんでんむし・・・はどんなものだろうと先生の話しに耳を傾けていると
先生は話しの良さと、それを伝えた友人の評判の良さに興奮し
私のうつ伏せで寝ている背中を同意を求めて手で何度も叩く。
いつもならばその間の手も気にならないのだが
何故か今回は妙に気になってしまった。
私のガギグゲゴの症状が酷いのか、先生のパシパシと叩く手が強いのか。
話しは気もそぞろで耳に入って来ずでいた。
一夜明けてカキクケコと症状が軽くなった私は
取り寄せたでんでんむしのかなしみを先ほど読み涙した次第である。