由比ケ浜

気の置けない友人が海を見ながらお食事しましょうと誘ってくれた。

待ち合わせまで乗り馴れない小田急線に揺られながら本を読んでいた。

着くと真っ白い新車を運転する友人が笑顔で私の前に停まった。

友人とは10月末に知り合ったのだが、ある時期を共に戦った有志であり同志である。

時間を言えば2ヶ月ほどの同士であったが、濃い2ヶ月であり友人との関係は時間に比例しない出会いであった。

その彼女と戦っている時に、この戦いが終わったら海の見えるレストランでランチしましょうと言っていたが、お互い美辞麗句ではない性分だったのだろう。

こうして実現できた。

私達が少し前の戦いを海の風が通るレストランで盛大に話している間、テーブルの席の人々は何度も様変わりしていた。

海に沈む夕陽を見たのはいつ以来だろうと想い巡らしながら、今一緒にいる友人との出会いに心から感謝した。

同じ夕陽に照らされながら見えない将来に少し迷う同志もまたいいものである。