髪を短くしてから困ることがある。
夜洗う髪が朝は頭の上で毎朝花咲かせるのだ。
今日は鉄砲百合のように横に流れ
昨日は朝顔のようにクネッたカーブを作り
一昨日は牡丹の様にクシャクシャと何だか分からず
そんな具合に毎朝、自分の頭に咲く花に驚かされるのである。
随分昔のわたしなら、髪の毛を切らなければよかったと自責の念で押しつぶされるのだが
今のわたしは毎朝、その芸術的に咲く頭の花を観てアレンジを考える。
「ん?今朝は極楽鳥花といわれるストレリチアのようだな、では今日はその立ち上がりを生かして」と
こんな具合である。
アザミの花が咲いた時はよくここまで立ちましたと感嘆してから撫で始める。
それでも元気に跳ね返る髪に、帽子を被り言うことを聞かせて家を出る。
毎朝の頭の花が楽しいのだ。。