曼珠沙華

東京に住んでいるのに見たことが無かった。

気にもかけていなったが友人がFacebookで写真をアップしているのを見てこんな花があるのか?と驚いた。

その翌日、公園を横切ると真っ赤な花を線香花火のように咲かせ、

すくっと背筋を伸ばしている花を見かけた。

曼珠沙華との出逢いだった。

中華饅頭のような名前だなと思いつつ、調べて見ると中国から来た花らしい。

サンスクリット語でmanjusakaと書き「天界に咲く花」と言う意味で「おめでたいことが起こる兆しに赤い花が天から降って来る」という仏教の経典から来ているそう。

1週間ほど彼岸時期に咲くこの花は、花ある時期に葉がなく葉のある時期には花がないというちょっと他にはない生き方をしている。

その生き方は普通の植物と逆で、彼岸時期に一機に成長し花を咲かせ1週間ほど魅せては冬に葉っぱのままで越冬する。

春にせっせっと光合成して球根に栄養をため込み、夏には葉を枯らして休眠期、そして秋の雨をたっぷり吸って開花するという生き様である。

お彼岸は昼と夜が12時間ずつで同じになり、太陽は真東から昇って真西に沈む。

彼岸は真西にある極楽浄土にあり、此岸はこちら側の迷いが満ちた現世。

花を見ない葉、葉を見ない花。

見れない浄土、見れない現世。

曼珠沙華はどちらも知っている花なのかもしれない。