
今晩、ちょうど友人から電話が来たので「いま、大変だったのよ」と言うと「何なに?大変て。あなたが大変なことなんてあるの?何でも解決しちゃうあなたが!」と擦れた声を出す私に興味津々で訊いて来る。
「あら、いやだ。私だって真っ赤な血が流れている、カヨワイ女性ですよー」と応えながら、まさか先ほどまでランチに食べたサバの味噌煮の細い骨が喉に引っかかっていて大変だったというと笑うだろうなと一考した。
「ねー、ねーそれで、何があったのよ」と友人。
「ん?昼にね、ちょっと引っかかっちゃって」と私。
「え?ナンパ?どこで声かけられたの?」友人。
「違う違う、サバの骨よ」私。
「側のオネ?側のお姉ちゃんに引っかかったって、おかまさん?あなた昔からおかまにモテるものね」とせせら笑う友人。
何だか話しが面倒になって来て「大したことないから大丈夫よ」と言って早々に切った。
ランチタイムから6時間。
サバの味噌煮の細い骨が私の喉の何処かにおり、うがいをしても取れず、帰宅してからゴクンと飲み込めるもので試してみた。
魚肉ソーセージ
さつま芋煮
炊いた白米(1膳分)
これでも取れず、しかも今度は喉であちこち暴れだした。
「まだ、居るよ。何かいいゴクンと飲める体積のあるものないかな」と目の前にあったアイスティの氷を飲み込んだ。
「んが、ぐぐぐ」と喉に氷がはまり、骨が取れるどころか窒息死しそうである。
”サバの味噌煮で氷飲み窒息死” 新聞の見出しが目に浮かぶ。
いくら何でも恥ずかしくてこの死因は嫌だ。
ゲホッと氷を吐き出し、死ぬよりは引っかかってるくらいどってことないかもと思い直し食後のロールケーキをパクパク食べていたら喉が痛くなくなっている。
ロールケーキでとれた?
さっきのご飯丸のみも効かなかったのに?
でもどうやら流れたらしい。
ガラゴロゴロとうがいをするといろんなものを丸呑みしたことで喉が痛む。
それにしても、友人にこの一連を話さなくてよかった。
おかまのナンパで十分です。