自転者

朝、駅の駐輪場に自転車を置きに行く。

大きな自転車に前と後ろに子供の乗る椅子が付いているのがあちこちにあり

働くお母さんがたくさんいるのだなと思いながら、その自転車を少しかき分けて隙間の空いた車輪止めに自分の自転車をはめる。

わたしのは小さな自転車で大きなカゴが付いている。

1日を終え、自分の止めた場所に行くと止めたはずの自転車が無い。

おかしいな。

何番の駐輪番号だったかまるで覚えていない。

当りにも見当たらない。

随分空いた駐輪場の一番反対側の近くに大きなカゴが見えた。

あった。

そうか、今いるこの場所は昨日朝止めた場所だった。

昨日も今日もわからなくなるなんて私らしい滑稽さと苦笑しつつ壁に向かい歩き出す。

でも確実に1日を過ごしているのだが早々代わり映えの無い1日だったのだろうか。

クルクル自転してばかりで成長がないのなら嫌だな。

今日よりも少しでも明日が成長していて欲しい。

皺が増える分、笑うことも多くなり、

お腹が丸くなる分、美味しい食事ができ、

白髪が目立つ分、頭も少しはお利口になりたい。

クルクルでなく、ダンダンと生きたいのだ。

 

明日は何番の車輪止めが空いているだろう。