
都内外苑のキラー通りにある靴屋が昨年末で閉店したと昨日友人から聞いた。
53年間の営業だった。
オペルカは20代の頃、婦人雑誌で初めて知り、
当時、私が行ってみたいお店の5本の指に入っていた。
初めて店を訪れた時、まるで海外の靴屋さんのような佇まいで
ゆっくりと扉を開くとその中はキラー通りの喧噪とかけ離れた店内だ。
女性の靴と向き合うように男性の靴が置かれたショーケースは靴同士がお見合いしている様な贅沢な空間だった。
なにより靴を試す時に腰掛けるレザーのソファの質の良さに感嘆しながら
「あー、ここが自分のアトリエになったらなー」と思ったものだ。
会社の昼休みを抜け出し、そのレザーに座る楽しみも、もう無いのだな。
私の東京の思い出の店である。