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haidorannjia (ハイドランジア)という言葉が西洋の額紫陽花のことだと知った時、
心地よい語呂に耳を傾けながら子供の頃の思い出が蘇って来た。
小学6年生の時、冬休みの宿題にピローケースに紫陽花柄を刺繍しようと学校で下絵を描いていた。
薄いグレーの生地に色鉛筆で刺繍の当りを付けていると
同級生の男の子が覗いて言った「きっとそれ全部なんて出来ないよ(笑)。半分の紫陽花になるよ」。
そんなことは無いと答えつつ冬休みが瞬く間に過ぎ、刺繍の手も遅く、男の子がいった通り半分の紫陽花に留まった。
下絵はこんもりと丸い形の東洋の紫陽花が、その半分のボリュームしかない額紫陽花になったのだ。
男の子に笑われるのを覚悟しつつ宿題を提出したが見た男の子は何も言わなかった。
今では珍しくない額紫陽花。
この季節になると決まってその男の子の夢を見る。
ねぇ何故、なにも言わなかったの?
そう訊きたくても今では叶わぬ想い。
あの頃に訊けたなら。