しましま

子供の頃、夕食中によく見ていたテレビ番組「野生の王国」。

父の好きな番組で弱い動物が強いものにガブッと食べられている場面が毎度ある。

その度、私は箸が進まず食欲が落ちる。

テレビを見て父は決まって言う

「野生の動物の世界は厳しいんだぞ。弱いものが強いものに命を奪われる。

でもその強い動物も人間に命を奪われる。

人間はいろんな動物の命を奪って生きているのに動物よりひ弱だな」。

すると私は良く質問したものだ

「じゃ、ラインオンとサメはどっちが強いの?

何故しまうまはあんなに目立つ身体で生まれて来ちゃったの?」

腑に落ちない父の解答で私はしまうまのことを調べてみたことがある。

 

『しまうまは群れになると大きな迷彩色になり一頭一頭の輪郭が分らなくなることで敵から身を守る。

また、一番襲われやすい子馬も親と重なると、親の姿に溶け込み見つかりにくいといわれている』

 

あんなに派手な白と黒で?と不思議に思ったが、あとから動物の目はモノクロにしか見えないと知り合点ができた。

それなのに宇宙には人の目に見えない色がまだまだ在るという。

見えないのだから想像ができない。

少しでも見てみたいと眠りの世界に浸るため私のパジャマはしましがが多い。