10数年来の鍼灸の先生に3年ぶりに今年2月に伺って治療していただいた。
鍼灸のさくら先生との出会いは偶然である。
私が望まぬ転勤を会社から辞令が出た日に首が回らなくなり、
救いを求めていたところ何故か桜新町の駅に降り立っていた。
数件の病院、治療院をやり過ごし、目に入った看板がさくら先生の治療院だった。
玄関を開けると明るい声と人柄にすっかり安堵を覚えた。
さくら先生は鍼が初めてだという私にたくさん話しかけ楽しくおしゃべりをしながら
あっという間に鍼を打った。
首は翌日廻るようになり私は辞令に従い転勤をした。
このご縁で私は東京に戻ってからさくら先生のところには体調が悲鳴を上げると駆け込み寺のよう最後の手段にしていた。
今年2月に久しぶりにさくら先生のところに行くと、先生は東京にいなかった3年間のことを訊いて来た。先生は何故かいつもよりシンミリしており幾分会話も控えめだった。
なかなか一月に1回でも行く時間が取れず、今日久しぶりに伺うとさくら先生は鍼を刺しながらうつぶせの私にいった。
「2月に来たときよりは大分良くなったわよ。
前回来たときの症状は普通の人ならとっくに病気になっているか入院していてもおかしくない状況だったわよ。
会わない間、とっても大変で頑張っていたのがあなたの身体から伝わって来ましたよ」
そうか、そんなに酷かったのか。
自覚していたけれど自覚以上だったのだ。
この3年間で幸せで心穏やかな時間はどのくらいあったのかと、自分の身体に申し訳ないことをしたと
しみじみと深く反省をした。
さくら先生は会ったことも無い私の両親のフアンでいつも両親の話題になる。
確かにこんな打たれ強く頑丈に生んでくれたのも、育ててくれたのも感謝しなければならない。
すっかり自分の物と思いがちな身体も、何一つ自分で作って生まれ出て来た訳ではないのだから、
お迎えが来る迄は大切に扱わないといけないのである。
・・・・すみませんでした。