雨の朝

今朝はシトシト霧のような雨が降っている。

愛車、自転車はお休みで傘を差しながら歩きだす。

いつもと違う道を通り、公園の御影石の飛び石を滑らぬように歩く。

大きな池の水面を雨脚が叩いて輪を作っている。

池底まで見える水の中を何やら黒い物体が動いた。

大きな鯉が悠々と泳いでいる。

鯉は今朝が雨だとわかるのだろうか?

この雨脚の輪でわかるのだとう、と投げかけ応えていると遠くから声がした。

広場に一人、傘を差してたっている。

雨音の途切れ途切れにその彼女の声が聞こえる。

オペラを歌っている。

なるほどな、雨の中で歌えば声が響かず気兼ねなく練習できるのかもしれない。

でも誰かが声をかけたりしないだろうか、とまた投げかけ応えていると駅に着いた。

一人会話の雨の朝。