回り回って

食事をしにレストランに入りメニューを開く。

前菜、スープ、メインにサイドメニュー、デザートまである。

アラカルトかコースかもまず選ばなければならない。

お腹の空き具合を確認する。

どれにしようか。

そうだな・・・

ん?そういえば蕎麦が食べたかったのに

何でレストランに来ちゃったんだろ?

どこで変わったのかな?

思い巡らしているとサービス係がメニューを聞きに来た。

えっと、まだ選んでいない。

取り敢えず飲み物を頼もう。

「シャンパンをお願いします」

「あ、じゃ私もシャンパンください」

ん?私も?連れ合いいたかな?

メニューから顔を上げると向いの席に人が座っている。

そうだった、蕎麦を食べようを職場を出た途端、道で友人と会いレストランに行こうと誘われたのだった。

再びメニューに目を戻し気を変えてあれこれと選び注文した。

パクパクと平らげた。

平らげると早々に会計を済ませ友人と分かれた。

友人と何を話したかもあまり覚えていない。

次の日もまたその次の日も蕎麦屋に行けず・・・。

結局25年ほど経ってしまった。

 

・・・あなたはこんな経験をしたことがあるだろうか?

 

わたしは行けずにいた25年間、最も求めていた場所に行こうと思う。

これからはもう回り道せずに。

回り道はもういらない。