先日タクシーに乗った際、すこし時間がかかる道中だったので年配の運転手さんに話しかけてみた。
一見、無愛想に見えた運転手さんが返事を返してくれた。
話しの流れで彼が中性脂肪が多く冷え性で困っていると言うことがわかった。
玄米を摂ること、油の多いラーメン、揚げ物は控えることなどアドバイスしていると
「じゃ、五穀米でもいいですか?毎日それは食べているんだ」という。
「そうか、毎晩湯船に浸かるのが冷え性にいいんですね。電気毛布って身体にいいんですかね」と熱心に確認して訊いて来る。
どうやら奥様は居ない様子である。
それには触れず健康に気をつけられていることを褒めると
「いやね、6年後の東京オリンピックまでは生きていたいなと思ってね」という。
「前の東京オリンピックの時みたいに景気もよくなるかと思うと嬉しいし、オリンピックを又見たいと思って、それを目標に健康に気を使い始めたんですよ」。
私は不意をつかれた気になった。
何かを楽しみに長い歳月待つことなどしたことがあっただろうか。
歳月をかけて自分のために何かを課すことなど最近しただろうか。
何気なくはじめた会話だが日本の東京のたくさん走るタクシーのある一台の運転手さんの6年後の夢に触れて、人っていいものだなと後部座席でしみじみとした。
タクシーの中の会話も時々は晴天なり。