雪の朝、京都へ

出張の朝、東京大雪。

新幹線が止まり、京都には遅れて着くと交通ニュースが言っている。

カーテンを開けると空と屋根は真っ白に繋がり、どんどん、どんどん降っている。

無性に嬉しくなり、ゴロゴロ転がす鞄を止めて手に持てる鞄に変えた。

2泊3日の荷物をコンパクトにまとめ直し出かけると、人の通りも無く忙しく目黒通りを走るいつもの車達もいない。

真っ白な道路。

得意気にかかとの高い靴でスタスタ歩く。

元気に滑りながら歩く。

やっぱり雪国人なのだろう。

懐かしい友人と歩くような喜びが込上げて来る。

不思議な安堵感。

会いたかったよー!思わず独り言を漏らす。

新横浜の駅は人が少なくて好きだ。

でも今日はごった返している。

予約時刻を30分遅れて新幹線が来た。

本州のホームは雪が降らないことを前提に素材を選んでいるから床がツルツルする。

1両ほど車両の中を歩き席に座る。

走っては車両に付いた雪を停止して雪払い。

商談の待ち合わせの京都には1時間遅れそうだ。

電話をしようとしたらその相手からクレーム対応で時間を遅らせて欲しいと電話が来た。

車内でいつの間にか寝てしまったらしい。

定刻より80分遅れとアナウンスが言う。

京都は冷たい雨になっていた。