
久しぶりに田園都市線に乗車し手術後の最終確認をしに湘南へ向かった。
以前4年住んでいた「たまぷらーざ」の駅が近づくと懐かしさ以上の感情が込上げて来た。
ここを去った2011年。
部屋の大きさを除けば快適な生活だったなとあれこれ思いふけり景色を見送りながら1ヶ月ぶりに病院についた。
内視鏡で手術した跡を見せられ、直視できなかったが確かに傷の跡が残っている。
検査器具の鈍痛も重なって冷や汗と意識が遠のくような気分になり、
医者は何かいっているが返事を曖昧にしていると「大丈夫ですか?」と何度も声を掛けて来る。
大丈夫ではないよ。
久しぶりに痛くて足がわなわな震えている。
待ち合い室で腰掛けながら痛みが治まるのを待つがなかなか治まらず、
医者との診断に呼ばれるのを遅いなと思いながらいつの間にか眠ってしまった。
目が覚め時計を見ると1時間が経っている。
それでもまだ順番が来ず、それから30分経ってやっと説明を聞き「もう通院はしなくていいですよ」という言葉の判子をペタンと押されて病院を出た。
昨年の4月に発覚して10ヶ月が経っていた。
通院の道のりも待ち時間も完治までも、すべてにおいて長い長い時間だった。
さすることの出来ない私の身体の一部が確かに切られ、まだ痛々しそうにしていたが
いつか跡形もなく傷は消えるのだろうか。
何事もなかったように消えるのも寂しく
消えないでいるのも悲しい。
ただ、もう見ることが無いことだけが救われる。